言葉の力

動物の中でも唯一言葉で自分の意思を相手に伝えることができるのが人間だ。
とても便利な反面使い方によってはとても危険な武器になる。
イチロー選手などがよくテレビで
「今日は打てそうですか?」
という質問をされている。
ヒット量産中なら
「よっしゃ。今日も打ってやろう」
と思うだろうし、低迷している時期なら
「こっちだってがんばってんだよ。いちいちマンセーウルセー」
となるだろう。
  
当たり前に俺らの日常にも同じようなことがあるわけで、
冗談だって分かるから、とかこいつなら言っても大丈夫とか、
その人の主観によるところが大きい場合は危険だと思う。
  
何気ない一言が相手を傷つけたり、悲しませたりするってことは
よく分かっているけど普段の生活の中では意識しながら話す事なんて無い。
自分が嫌な思いをすることで改めて気づかされた。
  
場を和ませようと思って言った一言で周りに笑いが起こっても
言われた本人が気分悪くなっていたらそれってただのエゴだと思う。
  
俺は周りの空気を和ませるためにちょっと辛めに人をいじったりする。
もしかしたらそれで相手は気分を害しているかもしれない。
びびるわけではないが、今一度自分の言葉の重さを自覚しようと思う。
  
  
逆に言葉が大きな力になることもおおいにある。
これは自分の体験だが、大きなミスをして始末書やら客先の課長さんに
謝りに言った経験がある。
ものすごいへこんですげーすげー自信をなくしていたときに、自分の担当の
お客さんが俺に言ったんだ。
「こんなのでビビラ無いでもっとがんがんやってくださいね。」
涙が出るほどうれしかった。
大きなミスをした相手にすぐにそういうことを言える大きさに感動した。
  
それからは5年間お客さんの力になれたと思う。
その一言が5年間の力になったといっても過言ではない。
それからはまぁ、場合にもよるが人のミスに対して寛容になった。
「人間は失敗する権利をもってる。
           しかし失敗には反省という義務がついてくる」
これはHONDAの創業者本田宗一郎の言葉だ。
俺も含め人は人のミスに厳しい。
だけど起きたミスに対して怒っても何も帰ってこない。
むしろそのミスを今後どのようにして再発しないようにするのか。
そっちのほうが大事だと思う。
  
自分はそんな目線で今後も仕事していけたらと思う。